南予の人

一人一人の企てをかたちにすることで、地域を豊かにする。

代表 濵田規史さん 会員 酒井春樹さん 愛媛県八幡浜市 /
コダテル

濵田規史さん、酒井春樹さん

プロフィール

濵田 規史(はまだ のりふみ/写真右)

1983年、八幡浜市生まれ。山口の大学を卒業後、故郷に戻り、愛媛の金融機関に勤めたのち、退職。2018年、宿泊ができるコワーキングスペース「コダテル」を立ち上げた。

酒井 春樹(さかい はるき/写真左)

1993年、静岡県生まれ。各地で地域活動に取り組んでいるとき、八幡浜を訪れ、コダテルや地域の魅力に触れ、2020年八幡浜市に移住。

愛媛県八幡浜市の港近くの古民家で、「みんなで企てる、ヒミツキチ」を掲げ、コワーキングスペースや宿泊施設、交流や学びの場を展開する「コダテル」。代表の濵田規史さんと、コダテルをきっかけに八幡浜市へ移住した酒井春樹さんに話を訊いた。

地域に深く入る、地域のベース。

「コダテル」の役割は。

濵田さん

「学び場」「働く場」「交流の場」を事業の柱にしています。学びの場の一例としては、地域の子どもたちのために教育プログラムを実施していて、プログラミングをはじめ、学校では学べないようなものを提供しています。また、コワーキングスペースを設け、働く場所を提供もしていて、地域の人と地域外の人などいろんな交流が生まれる場所でもあります。

どれも「企て」がキーワードで、子どもも大人も、お金になることもならないことも、一人一人のやりたいことをなんでも企てる場所なのです。
「コダテル」をつくった理由は。

濵田さん

地元の金融機関に勤めていたとき、地域の人と一緒になって、その人がもつアイデアや思いつきをしっかりと照らしてかたちにするやりがいを知りました。そういう場所を作りたいという思いが募り、今から6年前、会社を辞めて、故郷の八幡浜市で「コダテル」を作りました。
濵田規史さん、酒井春樹さん
酒井さんはコダテルをきっかけに移住してきたそうですね。

酒井さん

昨年の夏、千葉からコダテルに遊びにきました。半日の滞在でしたが、地域に暮らすいろんな肩書きの人が一堂に集まっていて、コミュニティの厚みに驚きました。農村支援をしていたので、地域に入って活動することのハードルの高さは理解していたのです。地域に深く入っているコダテルのあり方や、子どもたちの教育を大切にする姿勢に共感して、ぼくもここで何かをしたいと移住を決めました。そうやって移住してきた人がぼく以外にも何人かいるんですよ。
移住の受け皿になると想定していましたか?

濵田さん

「願わくば」ぐらいで、ここまでとは想定外でしたね。コダテルの利用者や地域の人たちにとっていい刺激になっています。「風土」という言葉がありますよね。地域の人を「土」と例えるならば、「土」は「風」を入れないと耕すことはできません。外から来る人は地域にとっての「風」になるのです。いい「風」が地域のブラッシュアップにつながると考えています。

酒井さん

地元に根付いている「土」の人がいるから、安心してぼくみたいな人が移住できますし、コダテルが地域と“外”の架け橋になっているなと感じています。
酒井さん、この地域の暮らしはいかがですか。

酒井さん

南予はとても過ごしやすいですね。特に八幡浜にはフェリーが発着しているからか、外からきた人に寛容ですし、気候も温暖で、土地柄も人柄もとても温かさを感じます。
濵田規史さん、酒井春樹さん

地域の人も外の人も一緒にする、ということ。

ワーケーションにも取り組んでいます。

濵田さん

昨冬、コダテルに泊まったフリーランサーの方々が、午前中に柑橘の収穫のお手伝いをして、午後は自分の仕事をするというワーケーションを行いました。双方にとってとても好評でしたね。“外”から来た人が地域に深く入るきっかけになると同時に、担い手不足という地域の課題解決にもなっています。ここでしかできない地域との関わり方ができる。それが、地方でワーケーションをする価値なのではないでしょうか。
きずな博では「えひめシフト」がキーワードです。

酒井さん

ぼくは今、地域の人と一緒にいろんな企てに取り組んでいます。そうやって少しずつでも地域を盛り上げていき、南予という地域の可能性や移住の魅力を発信していきたいです。

濵田さん

それぞれの企てを持ち込んでもらう「コダテル」のあり方にも通じるのですが、地域の人と“外”の人が一緒になって、楽しいこと、おもしろいことをやろうという機運を作っていくことが大事です。わたしたちの使命は、“外”からの風を入れていくこと。一緒に盛り上げていきたいですね。